くばらの原点
明治二十六年、久原村(現在の久山町)の初代村長であった河邉東介が、醤油と酢の醸造会社として『久原醤油』を創業しました。政治活動に財産を惜しげもなく使った東介に対して、恩返しの気持ちから村民たちが援助運動を起こし、その力で創業に至ったという記録も残されています。
『久原調味料』を経て『久原醤油』と社名を変更した現在では、醤油製造で培った技術をいかし、つゆ・たれ・スープ・ドレッシング・レトルト食品なども製造する総合調味料メーカーとして、食品のなかでも一番大切な味づくりという仕事に携わるようになりました。
醤油や酢の醸造では、微生物の自然の営みによって独特の味や香りが作り出されていきます。どんな先端技術も及ばず、私たち人間さえ足を踏み入れることのできない、神秘的な世界です。それと同じで、自然の食材の持ち味を最大限に引き出すために私たちにできることは、いい原料を用意して環境を整えてやることだけだと思うのです。素材がしっかりしていれば、過剰な味つけは必要ない。そう考えながら、私たちは製品づくりに取り組んでいます。